写真日記 京都・太田の沢の杜若3


平成19年5月12日(土)撮る 
京都・北山・太田の沢


平安時代一の歌人藤原俊成に、「神山や太田の沢のかきつばた ふかきたのみはいろにみゆらむ」があるという。


解説によると「上賀茂神社の神山の近くにある太田の沢のカキツバタに(人が)よくお願いする。恋事(いろ)は、この花の色のようになんと一途(一色)であることよ。


太田の沢のカキツバタは紫一色。お隣の深泥ケ池のカキツバタは白一色。しかし量が異なる。太田の沢のカキツバタはビッシリと生い茂っている。


『恋心の一途な願い』を受け入れそうな、一面のカキツバタは、すでに平安時代から、存在したという。京都の奥深さが人を魅了する。



注記)
藤原俊成 - 永久2(1114)〜元久元(1204)。『千載和歌集』の撰者。後鳥羽院の信任を得、当代歌壇の第一人者であった。


清新でありながら温雅な歌風で、いわゆる「幽玄」を大成した。平安時代後期から鎌倉時代初期の歌人。息子が定家。